まず、ウイングナットと右のトグルチェン、左のインジケーターロッドを外します。両者は中央でねじ結合されています。ASCもレーシングタイプなので、ワイヤーはクイックレリーズ式です。
これも例によって、左ロックナット、ワッシャー、コーンを外します。
このスプロケットは12スプライン式ですのでこの時点では外れません。このままの状態でボールリングの溝とハブシェルに合わせマークを付けます。そしてハブシェルをバイスに挟んで、タガネとハンマーでボールリングの溝をたたいてゆるめます。
取り出した内部ユニットです。固定ギアですのでラチェットがないのが新鮮です。3速ですが、遊星ギア機構は2組入っています。
ハブシェルの中をのぞいてみると、左のギアリングが奥に見えますが、その内側に普通はあるローギア用のラチェットトラックがありません。
右のロックナット、ロックワッシャー、コーンを外し、ドライバーユニットを抜き、クラッチスプリングとスプリングキャップを外します。このあたりの手順は全く共通です。
ボールリングは旧型で、インナーダストキャップはなく、ボールはバラ玉ではなくて14個のボールのリテーナーになっています。
ボールリテーナーを取り出し、ボールリングを外します。その裏側を見るとラチェットトラックがあり、フリー式モデルと共用のパーツを使っていることがわかります。
ギアリングは専用パーツでラチェットがありません。しかし歯数(60T)も内側のクラッチが噛み合うドッグも同じものです。
クラッチを分解しますが、これらパーツも他のモデルと共用のものです。
プラネットケージはラチェットのない専用品です。4個式のプラネットピニオンは20TでAW、AC,FCと共通です。ピンは短く段のないもので、クラッチとプラネットケージの噛み合わせは、鋳込まれたドッグによって行われます。
これで「右側」の分解は終わりです。